True feelings 1 (yasu×hyde)




「・・・・つまり、hydeはyasuにもっと強引にしてほしいっていうわけだ?」
「っ、ご、強引ってそうじゃないけど・・・・」

小声ながらも大胆な会話が飛び交う。
行きつけのバーの奥まった席にて人目を避けるように会話を交わしているのはhydeとGackt。
もっぱら此処最近はGacktはhydeの良き相談相手のような関係。

「けど、恋敵についての相談をされるなんて、僕も可哀相だと思わない?」

小さく口ごもるhydeが可愛くてGacktもついつい遊んでしまう。

「・・・・う・・・、だってがっちゃんぐらいにしかこんなこと言えへんし・・・」
「冗談だよ冗談、むしろhydeがこうやって相談と称して逢ってくれることは嬉しいしね、」

申し訳なさそうにしゅんとなるhydeにGacktは笑って答える。
そんなGacktの答えにhydeも笑顔に戻り、ありがと、と小さく笑った。

「あーーっ、もう、いっそのこと僕に乗り換えたら?少々強引にエスコートしてあげるよ?」

にっこり笑顔でそんなことを言うGacktに、hydeは”だからそういうことじゃなくて・・・”と、苦笑いを浮かべる。

「でも、やっぱりちょっと難しいんじゃないの?」
「けどっ・・・」
「だってhydeはyasuにとってずっと憧れてたヴォーカリストな訳だし、そんな人と一緒に居られるってだけで信じられないことなんだし・・・触れることだけでも恐れ多いことなんじゃないの?」
「・・・憧れ、ね・・・」
その言葉を繰り返し目を伏せたhydeにGacktが聞き返す。
「どうしたの?」
「yasuの俺への気持ちってやっぱりただの憧れの延長なだけで、愛とか恋とかそういうもんとはまた別なんちゃうやろか・・・・」

はぁ、とまたため息をついて肩を落とすhydeに、Gacktは思わず心外だという表情を浮かべてしまう。
あれはどこからどうみても憧れの限度を超えている。
それすら気づかないhydeの鈍さに、Gacktは少なからずyasuへ同情をした。
まあ、こうしてhydeがGacktへと相談を持ちかけている時点で彼の鈍さは国宝級だとGacktも常々感じてはいたけれど。

「それは無いんじゃない?」

思ったままを打ち明けてみても当のhydeは納得が行かない様子。
Gacktの言い分は間違ってはいない。
ただyasuにとってhydeという存在はあまりにも大きすぎるものだから、つい気兼ねしてしまう部分があるだけ。
憧れと恋との区別ぐらいできているはず。
けれど、不安になっているhydeにはそれすらも理解し難いらしい。

「じゃあ、試してみたら?」
「試す・・・?」

きょとんとした表情を返すhydeにやっぱり可愛いと思いながら、そう、と小さく頷いた。

「yasuが本気かどうかを知りたいんでしょう?試してみたらいいじゃない。」
「どうやって・・・」
「僕と浮気してみるとか?」

にっこりと笑ってhydeの顎へと手を掛ける。

「嫌。」

けれど、hydeはそう一言即答して、ふいと横を向いた。

「例え憧れだったとしてもyasuが俺の事を大事に思ってくれてるんは知ってる・・・だから裏切るようなことはできへん、絶対に」

そう少し寂しそうに言いながらhydeは机に突っ伏した。
率直に断りを入れたhydeにGacktは肩を竦めてみせた後、宥めるように頭を撫でてそっと囁く。

「そこまで分かってるんなら充分なんじゃないの」

腕に顔を埋めたまま優しく降りかかる声を聞きながら、それでも未だに不安を覚えてしまう自分に、hydeは苛々を募らせた。



*



そんなふうに悩んでいても日常は何も変わらず回り続ける。
ここ数日、スタジオにこもりっぱなし。
レコーディング中だと知った上で気遣っているせいか、yasuからの連絡も一段と減った。
焦がれられる側であったはずなのに、今こうして来る宛てのないメールを待っている自分が虚しい。

「よ。何しけたツラしとんねん。」
「別にー」
「オマエまたラヴコールされてたな。」
「は?」

呆けた顔で聞き返すhydeに、にっと口の端を上げて笑ったkenは、

「yasuやyasu。またインタビューでラヴコールやったで。」
「・・・・ラヴコール・・・ね。」

kenには悪気は無い。
そんなことは分かっていたが、今のhydeにはタイミングが悪すぎた。

どこからどこまでが本気で愛なんやろう。
本当は全部”hyde”というアーティストへの憧れだけなんやないやろうか。

そんな事がまたhydeの頭の中をぐるぐると駆け巡りはじめる。

「かっこわる・・・」

hydeはうな垂れるようにテーブルにうつ伏せ、小さく一人ごちた。

自分でも相手が向ける憧れという瞳に恥じないようにと、虚を張って見せていた部分もあった。
年上だし、yasuの前ではどうしても弱い部分を見せたくなくて、優位に立っていたくて、”逢いたい”なんて口がさけても言えなかった。
だが、いつまでもこんなふうに悶々としていても仕方が無い。

レコーディングの合間、なかなか進まない仕事にも半ば嫌気が差して、携帯を手にスタジオを出た。

「もしもし?」

数コールの後に聞こえてきた声にほっとしながらも久々な会話に声が詰まる。

「もしもし?俺やけど、今平気?」
「は、hydeさん?平気ですけど・・・こんな時間にどないしたんですか?レコーディング中ちゃうんですか?」

聞こえてくる声から相手が慌てているのが手に取るように分かる。
それもそのはず、自分から電話なんてほとんどしていなかったわけだから。

「仕事・・・抜け出してきちゃった。」

さらっと告げた真実に相手は更に驚いたようだ。

「えっ、抜け出してって・・・!」
「最近逢えへんかったし、これから・・・」
「何言うてるんですか!hydeさんはトップアーティストなんですから、そんなんしたらアカンですって!」
「けど、いつも俺に合わせてもらってなんや悪いし・・・」
「そんなん気にせんで下さいよ!!俺は平気ですから、お仕事頑張ってくださいね。俺やって新曲楽しみにしてますから!」

電話越しの声のトーンが上がる。
hydeはそれが妙に悲しかった。
”新曲楽しみにしてます”その一言は普通に考えれば応援してくれているという事だし喜ぶべき言葉なのだろうけれど。
やっぱりyasuが想うのはミュージシャンのhydeへの想いなのではないだろうか。
どうしても浮かんできてしまうそんな不信感。
yasuが気遣って断ってくれたこともhydeは重々承知していた。
自分へ向けられる想いが生半可なものじゃないことも分かっていた。
けれど・・・・

本当に欲しいのは・・・

「嘘でも・・・逢いたい言えや・・・」

電話を切った後、表示の消えたディスプレイに向かってhydeは小さく呟いた。




Next Comming Soon...


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続きます。
まだyasuがほぼ出てきてませんが、ちゃんとヤスハイです。ww

結構未完成(滅)こんなの初めて(笑)
でも更新ブツが無いので載せます。(汗)
さほど長い訳でもなく、たいした話ではないのですが(^^;
無駄に長引かせてごめんなさい。ここで切った意味はありません。(ただ先が書けてので・・・/痛)



2006.05.29
Heavenly Feathers 管理人


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