仕事で訪れたTV局で、嬉しい人と出逢った。
「hydeさんっ!」
そんな偶然が嬉しくて駆け寄りながら彼の名前を呼ぶ。
肩下まで伸びた長い髪をさらりと揺らしながら彼が振り返った。
「あー、yasuくんー」
俺の存在を確認したところで微笑を浮かべて手を小さく手を振ってくれるhydeさん。
「収録ですか?」
「うん、yasuくんもここで仕事やったんやな」
「まさか逢えるなんて思うてへんかったからめっちゃ幸せや〜」
全身全霊でこの喜びをアピールする俺に、
「yasuくんはいつも元気やなー」
そう言ってまた笑うhydeさん。
そんなhydeさんもいつも綺麗で格好良くて、可愛くて・・・いつ見ても惚れ惚れしてしまう。
まだヘアメイクされてないストレートな髪型が純粋なhyde自身の魅力をよりいっそう際立たせて、
自然と高鳴る鼓動。
そんなhydeさんの魅力に惚けているいると、
「yasuくん、聞いとる?」
俺の目の前のまえで掌をひらひらさせて、少し怪訝そうに俺の顔を覗きこむhydeさん。
「あ、え?」
「今日、ご飯でも食べいかん?て聞いたんやけど!」
嫌ならええで、と拗ねるような表情をしながら言ってくる。
そんな表情すらも可愛くて思わず抱きしめたくなる衝動を抑えて、慌てて返事を返した。
「え、誘ってくれはるんですか?」
「うん、yasuくんさえ良かったら飲み行こうや。仕事これからので終わり?」
嗚呼、神様!
まさかhydeさんのほうからお誘いが掛かるなんて、もう願ってもいない光栄。
もちろん断る理由なんてどこにも無い。俺は張り切って返事を返した。
「も、もちろん行きます!次ので今日はあがりなんで!」
俺の返事に、hydeさんは”良かったー”と嬉しそうな顔をしてくれた。
喜んでくれるhydeさんを見ていたら俺もなんだか嬉しくなって、俄然やる気が出てきた。
「俺、歌撮りだけやから・・・終わったら楽屋で待ってるから」
「じゃ、俺終わったら楽屋行きます!」
「うん、待ってる。じゃあ頑張ってな。」
「はーい!」
これでもかというぐらいの笑顔で手を振ってhydeさんと別れた。
その日の収録はこの上ない上機嫌で進んだ。
呆れたメンバーの目線など気にする事も無く、緩んだ笑顔のまま収録は終了。
少し長引いた仕事に焦りを感じながらhydeさんのもとへと向かった。
自然と小走りになる足取り。
早く逢いたい。
hydeさんの待つ楽屋の前、ノックをするも返事が返ってこない。
「hydeさーん?」
少し不安になり呼びかけながらノックをする。
けれどやはり帰ってくるのは沈黙のみ。
ドアノブを回してみると以外にも鍵はかかっておらず、すんなりとドアは開いた。
失礼ながらも部屋に入らせてもらうと、メンバー達がいる様子も無くがらんとしていた。
「hydeさ・・・」
そのまま部屋の中を見渡すと、ソファーの上で眠るhydeさん。
こちらの撮影が長引いてしまっていたから待ちつかれて寝てしまったらしい。
気持ち良さそうに眠っているから起こすのも憚られて、どうしたものかとその場に立ち尽くす。
それにしても・・・本当に綺麗な寝顔。
「ほんまに綺麗やなぁ・・・」
思っていたことがついつい口をついてでる。
恍惚とした気持ちがこみ上げてきて、何時も以上に早鐘を打つ鼓動が益々気持ちを高ぶらせる。
「・・・あかんあかん!」
良からぬ考えが頭の中に浮かんで、慌ててその考えを振り払うように頭を振った。
それでも振り切れない目先の誘惑。
透き通るような白い肌と長い睫。
そして形の良い唇はほんのりと色づいていて、色気を漂わせるそれに息を飲む。
まるで惹かれるように顔を近づけ唇にそっと触れた。
ほんの一瞬、触れ合うだけのくち付け。
例えその一瞬でも唇の暖かさを感じて、我に返り慌てて顔を離した。
「・・・・っ、何やっとんねん俺は」
自らの犯した行動に頭を抱えたら、はたと目線が合った。
ぱっちりと開いた瞳でこちらを見るhydeさん。
「っ!?」
思わず固まる俺をhydeさんはじっと見つめる。
ああ、どないしよう。
「・・・・え、あっ・・・ちゃうんです、あのっ///」
そんな慌てる俺は他所に、hydeさんは思い出すように唇を指でなぞる。
そして俺のほうを見たかと思うと微笑して
「その程度なん?」
「えっ?」
「キスっていうのは、もっとこう・・・・・」
聞き返すのも束の間、ぐいと引っ張られてあっという間に噛み付くように唇を奪われた。
「・・・・っ、んっ・・・・・・・」
滑り込んできた舌が執拗に誘う。
それに応えようと必死で負けじと舌を絡めるも、結局主導権は向こうのまま。
しばらくして唇は開放されて、
「このくらいせんと俺は堕とせへんで?」
「・・・・・・・っ///」
上目遣いに俺を見て不敵な笑みを浮かべながら一言。
「ごちそうさま」
そして今度は、赤面したまま放心する俺に触れるだけのくち付けをして、
「御礼に今日は奢ったるな〜」
hydeさんは余裕の表情でにっこり微笑んだ。
end.
◆COMMENT◆
yasuhy質問を使用して下さった御礼に、TAKARAさんへ捧げました小説です。
趣味で創ったものを使っていただけるなんて光栄この上ないので、感謝の気持ちに。
テーマとしてはyasuくんの淡い(?)恋心を弄ぶhyde氏(笑)
(某、邪バンドの同名曲をイメージしたのでは無いです)(^^;
いずれ一緒になる二人のちょっとした過程として書いてみました。
2005.04.17
Heavenly Feathers 管理人
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