Single-minded (yasu×hyde)


まだ心臓がばくばくいっている。
跳ねる鼓動を抑えるように大きく息を吸い、ゆっくりと吐き出した。

どないしよう
キスしてもうた・・・。

不意のくちづけは余りにも突然すぎた。
柔らかいそれが自分の肌に触れた瞬間、そこがステージの上だということも忘れ頭の中が真っ白になった。
感じたのは一瞬の熱と柔らかさ。

思い出しただけで顔が真っ赤に染まる。
自分がキスぐらいで赤面するほど純情だとは思わなかった。

きっと相手からしてみれば、多分いつもの気まぐれ。
そう分かっていても鼓動はただただ早鐘を打つばかり。

・・・阿呆らし。何やってんやろ、自分。

「〜〜〜〜〜うぅ〜〜〜〜///」

赤面したまま頭をかかえうずくまった。

「そこのメイドさーん」

そんな心中にはそぐわない、かなりテンション高めの声色で声がかかった。
驚いて顔をあげるとかなり上機嫌なhydeくんがこちらに向かって手をふっていた。

うーわ、めちゃくちゃハイテンションや。


「おつかれー、めちゃくちゃ緊張してたなー」

あはは、と笑いながら隣に腰掛けるhydeくん。
多分俺の気持ちなんて、これっぽちも理解してない。
俺とのキスなんてなんとも思ってないんやろうな・・・。
やっぱりお遊び感覚なんやろな。

垣間見えた事実にちょっと肩を落として答えた。

「そ、そりゃあ緊張しますよー。せやってhydeくんと・・・・」

生キッス。

・・・・じゃなくて。

「hydeくんと一緒のステージに立てるなんて夢みたいなもんなんですからー」
「ははっ、大げさやなー」
「本気っすよー、俺めちゃくちゃhydeくんのこと大好きだって言うてるやないですか!」
「あはは、そうやったねー」

あかんねん、この人。
むちゃくちゃ鈍感やねん。
俺が何回”好き”って言うても”ありがとぉ”で軽く流しちゃう人やねん。

今回の言葉も相変わらず笑い飛ばされてるし。
うん、ええんや、知ってるし。・・・・そんな天然なとこも好きやし(ぽそり)

「会場、沸いてたな」
「は?」
「yasuとのちゅー」

・・・・・・・・はい?
この人ほんまに何も分かっとらんのですか?
俺がさっきまでそのことを思い出してどれだけ悶々としていたか。
そんなんも知らんと、さらりと軽ーく口にしてくれちゃいましたよ、この人。

「yasuも感無量?」

呆気にとられてる俺の顔を覗き込むようにhydeくんが見上げた。
・・・だからどうしてそうも上目遣いなんですか?
見上げてくる瞳にノックアウトされそうになりながら必死で理性を押しとどめる。

「ええ、そりゃあもう」

もうどうにでもして、という風にお手上げ状態の俺。
そんな俺の返答に「ふーん・・・」と、なんとも素っ気ない返事をしたhydeくん。

「あんなんで満足なんや。」

そう小さく呟いたhydeくんは軽やかに立ち上がり、俺の前に立った。

今度は俺が見上げる形になる。
ああ、それでもやっぱり見つめてくる可愛い。

一人見惚れている俺に、hydeくんがとんでもない言葉を吐いた。

「頑張ったご褒美、あげようか?」

・・・・へ?

「え?、な・・・?」

呆けた顔をしている俺にhydeくんの顔が近づいてくる。

え、ちょ・・・待っ・・・これって・・・!

俺は思わずhydeくんを見つめたままだった瞳をぎゅっと閉じた。
頭の中に蘇るあの感触。ああ、もうどないしよ・・・。

次にくる感触を待ったまま固まっていると、hydeくんの笑い声がきこえてきた。
うっすら瞳を開けると必死に笑いを堪えながら佇むhydeくん。

「何、硬くなっとんねん。」

うわ、嵌められた・・・・。
忘れてた、この人、天然な小悪魔やった。

「あははっ、お前やっぱり可愛いなぁー」

項垂れる俺の頭をぽんぽんと叩きながら、hydeくんは笑う。
恨めしそうに見上げる俺のことなどお構いなしらしい。

「打ち上げ来るやろ?はよ着替えて来ぃやー」

そう言って、”来い来い”と手招きしながら先を歩く。
hydeくんを追うように俺も腰を上げた。

「あ、」

ふと立ち止まったhydeくんは思い出したようにこっちを向いて、

「2日間、ありがとねー」

そしてにっこりと笑った。

・・・・反則や。

その笑顔はやっぱり誰よりも輝いていて魅力的で。
誰よりも愛おしい。


「yasuー?はよしいやー!」

見惚れて突っ立ったままの俺をhydeくんが呼ぶ。
こみ上げてくる愛しい感情が何故か凄く嬉しくて、幸せで。

「はーい!」

浮かれた声で返事を返して、hydeくんの後を追った。



いつでも貴方は気まぐれで
つかみどころの無い風のようにするりとすり抜けてしまうけれど

それでも、貴方は楽しそうに笑ってくれるから。


貴方の隣でそんな笑顔が見れるなら、しばらくこんな片想いもいいかもしれない。



 end.




◆COMMENT◆

TAKARAさん、HP一周年おめでとうございます!
祝いたいが余り、勝手ながら小説書かせてもらいました。
意気込みの割りには激遅ですみません。

またしてもヤスハイですみません。
しかもかなり即席で書きました。至らないところばかりで申し訳ないです。
むしろya→hyです。テーマは「一途な片思い」です。
ご察しの通りハロウィンライヴ後のお二人を妄想させてもらいました。
翻弄するhyさんと、翻弄されるyasuさんがうまく書けてれば・・・いいな・・・(弱気)

だだだだだだだって!
あのようなリアルな様を見せ付けられて今更私の小説なんて嘘くさい。(笑)

TAKARAさんのサイトは私の大事なヤスハイ萌の吸収源です。
これからも末永く頑張ってください。
私めに末永く、TAKARAさん宅の可愛いヤスハイを拝ませてやってください。
そしてこれからも仲良くしてやってください。

それではTAKARAさん宅、1周年を心より祝いまして・・・
おめでとうございます!



2005.11.08
Heavenly Feathers 管理人




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