今日は音楽番組の収録日。
俺は朝からご機嫌で、鼻歌交じりに軽やかな足取りでスタジオの廊下を歩く。
口ずさむはできたばかりの新曲。
うん、今日もばっちりや。
え?なんでそんなにご機嫌なのか?
ふふふ、聞いておどろけや!
なんと今日はあの愛しのマイハニー、hydeくんと一緒の収録日やねん♪
待ちわびた今日という日。
気持ちが舞い上がらんわけないやろ?
メンバーから「きもちわるい」と罵られようと今の俺には全然気にならへん。
頭の中はhydeくんでいっぱいで、ただただ嬉しい気持ちだけが駆け巡る。
hydeくんはどんな格好してくるんやろう。
そう頭でめぐらせながら"まあ、どんな格好でも可愛いやけど"そう自問自答して笑みを浮かべる。
ああ、もうにやけた顔がもとに戻らへん。
収録時間になり楽屋を出た途端、スタジオへと向かうラルクさん達を見つけた。
久しぶりに見るhydeくんはよりいっそう魅力的に見えた。
今日も可愛いなぁ・・・v
思わず見とれてしまった。
恍惚として見つめていると、その視線に気づいたのかhydeくんがこちらを向いた。
嗚呼!これぞ愛のテレパシー!
そんな今時クサイ言葉が頭に浮かぶ。
本当はそのまま寄り添って抱きしめたかったけれど・・・さすがにそれは迷惑極まりない。
今すぐにでも抱きしめたい衝動を押し留め、露にできない行動をそれに込めるかの如く思い切りの笑顔を浮かべ、周りに気づかれないように小さく手を振った。
が、そんな俺の行動に一瞬驚いた表情を浮かべたhydeくんはふいと目線を逸らした。
少し遠い距離からでも分かるほど頬を真っ赤に染めて。
ああ、もう本当にhydeくんは照れやさんやなぁ。
相変わらずな可愛らしい一面に更に気持ちは煽られて、気分はどんどん上がる一方。
撮影中も考えるのはhydeくんのことばかりで、
普通にしてなあかんのは分かっていてもついついhydeくんを追ってしまう。
そんな俺とは逆にhydeくんはまったくこっちを見てはくれない。
まあ、そうするのが普通ではあるけれど・・・一度ぐらい見てくれへんかなぁ。
ちょっと、誘いでも・・・て、あかんあかん。
自然にしてなあかんねん。
自分に言い聞かせるものの、目の前にhydeくんが居るというのに落ち着いてなんていられない!
俺が心中で、そんな低レベルな葛藤を繰り広げているうちにhydeくんはもう歌のスタンバイ。
ここは落ち着いてhydeくんの歌に聴き惚れることにしよう。
奏でられる音に絡むhydeくんの歌声はやっぱり綺麗。
ほんまにヴォーカルとしても惚れてしまう。
しばらく聴惚れるも、ふと気づくいつもとの違い。
hydeくん・・・喉の調子悪いんやろうか?
*
その後もhydeくんはこっちを見てくれることは無く収録は終了。
俺の歌ちゃんと聴いててくれたやろか?
hydeくんの為にも一所懸命唄ったし、少しでも聞惚れてもらえてたら嬉しいなぁ。
そして歌と言えば思い出す、hydeくんの歌。
何が・・・という訳ではないけれど、なんとなくいつもと違う歌声にちょっと不安がよぎる。
それにいつもよりも元気が無かったように思えたから余計に心配になってしまう。
風邪でも・・・ひいたんやろうか・・・。
心配になって居ても立っても居られず、思わず携帯を取り出した。
廊下にて電話をかけようとした処、前を歩く人影に気づく。
それは紛れも無く、いとおしいhydeくん。
「hydeくん!」
俺は慌ててその背中を呼び止めた。
「え?・・・あ、yasuくん」
振り返ったhydeくんはやっぱりちょっと元気が無い。
益々心配になってしまっておろおろと聞き返した。
「あ、あの・・・風邪・・でもひいた?」
「なんで?」
「なんか、今日の歌・・・調子悪そうやったから・・・。」
「・・・・。」
その言葉を聴いた途端顔を俯かせて黙ってしまったhydeくん。
「あっ、下手とかそういうんやなくて!
・・・なんやhydeくんらしくなかったっていうか・・・その・・・」
予想外のhydeくんの反応に思わず慌ててしまう。
ああ、どないしよう。
元気出させるはずが余計に落ち込ませてどないすんねん。
一人慌てている俺にhydeくんは小さく話し出した。
「yasuくん・・・」
「え?」
「・・・今日、収録前に手振ってくれたやん?」
「うん、・・・?」
おずおずと話すhydeくんの言葉を、聞き逃さないようにしっかりと聞き入れる。
「あれ、目そらしてもうたやん?」
けれど、hydeくんの言いたい意味がいまいち理解できず俺が疑問顔のままでいると、
必死にhydeくんは話を続けた。
「嫌とかやなくてね、ただちょっと恥ずかしくて・・・それでつい目そらしちゃって・・・」
そこまで言われてやっとhydeくんの言おうとしてる意味が分かった。
つまりそれって、素っ気ない行動をとってしまった事をずっと気にしてたってことで。
それで歌に集中できへんかったんや・・・。
「・・・ごめんね、hydeくん」
「えっ?」
「ほんまにごめんねっ」
「えっ?えっ?yasuくんが謝るんちゃうやんっ」
頭を下げて謝る俺にhydeくんはいっそう困り顔。
それを見てる俺、泣きそう・・・(←ヲイ)
けど、実際謝らなきゃならないのは本当に俺やから。
「俺ね、hydeくん大好きやし、hydeくんの歌も大好きやねん。
せやのに、hydeくんの調子崩させるような事してもうて・・・ほんまにごめん!」
独りで舞い上がってhydeくんに迷惑かけてしまうなんて、自分の情けなさに泣けてくる。
「yasuくん、悪くないんやから謝らんでよ〜」
それでもhydeくんは宥めるようにそう言ってくれる。
そんなふうに優しくしてくれるからまた惚れ直してしまう。
「でも・・・。」
「いや、ほんま謝るのは俺のほう、ごめん。」
未だ申し訳無さそうにしている俺に、ちょっと恥ずかしそうに言ってくれるhydeくん。
そんな仕草がまた可愛くて・・・・。
「hydeくんーーー!!」
「えっ!?ちょっ・・・!!」
必死に我慢していたはずなのに、気がついたら思い切りhydeくんを抱きしめてた。
「もう、ほんま大好きっv」
「っ、yasuくん!?離しっ・・・!///」
突然の抱擁(ぇ?)にhydeくんの顔は真っ赤。
ああ、もう本まに可愛すぎる、どないしよう・・・・あ、ひらめいた!
hydeくんの可愛らしい姿に欲情した俺の頭に悪戯な考えた閃く。
「hydeくん、俺朝の対応でめっちゃ傷ついたぁ・・・」
「はぁ?」
「せやから・・・キスしてv」
「なっ・・・・!?」
「ええやん、ここにチュって、な?な?」
抱きしめたまま甘えモードで擦り寄る俺に、必死に抵抗をするhydeくん。
「嫌やってば!」
「ええやーんv」
「yasuくん・・・」
静かになったhydeくんに期待で胸を膨らませながらキスを待つ。
けれど頬に頂いたのは甘いキスではなく・・・
「ええかげんにせぇやっ!」
「痛〜〜〜〜〜っ!!」
・・・思い切りグーで殴られました。
ああ、やっぱり愛しい照れ屋なマイハニーはそうそう乗ってはくれない。
けれど、その後hydeくんは"今回だけやで"と頬に軽くキスをしてくれた。
掠めるくらいに短いキスだけど、もうそれだけで充分幸せ。
そんな照れ屋さんな処も愛しくて仕方が無いから。
「じゃあ、早よ帰ろうか?」
そう、この後はお楽しみでねv
俺を甘くみたらアカンで?
今夜は楽しくなりそうやね。
ね?hydeくんv
end.
◆COMMENT◆
2001.08.28 に書いたものを、訂正してリメイクしました。
二人が音楽番組に共演する機会があったら・・・という設定で書いた作品です。
この頃はまさかこんなにもお二人がお近づき(笑)になるとは思っていなかったので、
本当に夢のような設定だな、と思っていましたが。
そしてこの頃から既に情けないyasuくん大活躍でしたね。(爆)
まあでもヤスハイの醍醐味はhyde愛なyasuくんだと思うので、
彼にはとことんhyde愛を貫いて欲しいですね。(笑)
初めて読んだ方も、以前ものを読んで下さってた方も、
両方に楽しんで頂けてれば良いな、と思います。
・・・本当に文章力も大して変わらず、あまり訂正した意味が無いですが(爆)
では。
2005.07.01(リメイク更新日)
Heavenly Feathers 管理人
(初出し 2001.08.28)
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