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打ち上げの席 程よく効き始めたアルコールも手伝って、いつもより少し強気になった俺は、 前々から気になっていたことを聞き出そうと心に決めた。 それは言うまでもなく、付かず離れずな感じで未だ掴めないあの二人の関係。 二人とはもちろん公私共に中の良さそうなhydeさんとGacktさん。 密かに、時には公言しつつ(笑)hydeさんへ想いを馳せていた俺には、 新たなライバルの出現を見逃すわけには行かへん! たとえ大先輩であろうと、俺のhydeさんへの想いは誰にも負けんくらい強いんや! 「あの、Gacktさん・・・」 心意気も充分にさり気なく隣へと席を移して、 周りに聞こえない程度の声で、控えめに問いかける。 「あ、あの・・・」 「hydeのこと好きなんだって?」 言葉を濁らせているうち、逆にそんな質問を返された。 いきなりとんでもないことを、軽く言い放つGacktさん。 「えっ・・・な・・・・・・!?」 「もう、キスしたの?」 「は、はぁっ!?」 突拍子もない質問に我ながら情けない声が出た。 そんな俺をいつもの調子で見つめながら、どうなの?と聞いてくる。 「・・・・そ、そんなんしたこと無いに決まってるやないですかっ・・・・」 好きですとアピールし続けて早幾年。 今ではこうして打ち上げに呼んでもらったり、一緒に居れるようにはなったけれど。 hydeさんの気持ちは未だ読めないままで・・・ というか、hydeさんの周りに他の男を近づけさせないオーラを発してるのは、 いつも一緒に折る貴方やないですかっ。 思わず突っ込みを入れそうになるのを抑えて、おずおずと答えた。 あああ・・・男として俺めっちゃ情けないやん。 内心凹んでいる俺の気持ちなど、まったく気に留めない様子でGacktさんは更に続けた。 「こっちから押さないとダメだよ?ハイドの場合は特にね~」 そんな意味深なことを言い残し席を立った。 あああ、結局Gacktさんのペースでまったく真相は掴めてへん・・・ 俺は咄嗟にGacktさんの腕を掴み、呼び止めた。 何?と振り返ったGacktさんに、囁き声ながらも必死に問いただす。 「がっ、Gacktさんはhydeさんとキスしたんですかっ!?」 必死な俺を横目に余裕な笑みを浮かべたGacktさんは、 「ふふっ、hydeに聞いてみたら?」 そう一言だけ残して、颯爽と去っていってしまった。 な、何や!?その意味深な答えはっ!? 事の真相を確かめるべく、俺はhydeさんのところへと飛んでいき手を引いた。 顔見知りのスタッフと話をしていたhydeさんは、俺のほうをみて”何?”と首をかしげる。 「hydeさんっ・・・あのっ、Gacktさんとキッ・・・・・」 ”キスしたんですか!?” 口元まで出掛かった言葉を咄嗟に押し留めた。 何を血迷ったことをしとんねん、こんな所でそんな事聞くわけにいかないやろ。 冷静さを失っている己の意識をなんとか落ち着かせなければ。 手を掴んだまま固まってしまった俺を、hydeさんはきょとんとした目で見つめた。 ううう、可愛い。って・・・そうやなくて! 「hydeさん、ちょっと表出ませんか?」 ちょっと強引だけれど、これしかない。 急に表に出ようと言われたhydeさんは、明らかに不思議そうな顔でこっちを見ていた。 けれどその腕を掴んだまま、俺は外へとhydeさんを半ば無理矢理誘う。 部屋から出れば、先ほどまでとは違う少し冷えた空気。 あんなに騒がしかった話し声も少し遠くで聞こえるだけ。 なぜか小さくほっとため息をついた。 「どないしてん?」 こんな場所に連れ出されたhydeさんは、不思議そうに俺の顔を覗いた。 そうや、重大なことが残ってた。 これからや。 「あのっ・・・・」 見上げるhydeさんの瞳を見ながら用件を話し出す。 「キ、キス・・・・」 見上げる目線が何故か痛くて、思わず口ごもる。 あああ・・・こんなん阿呆みたいやんか!! 一人葛藤する俺をみていたhydeさん、 俺の顔を覗いたまま 「・・・?、キスしたいん?」 そういって、少し背伸びをして唇にチュっと口付けた。 ・・・・・・・・・・・・!? 慌てる俺に、にっこりと笑みを浮かべたhydeさんは、 今度は首に手を回して、熱いキス。 唇を離したhydeさんは、はぁっと息をついた。 「何や、言うてくれたらええのに~」 そういって、また小さく笑った。 未だ放心気味の俺に、 「でも今は打ち上げ中やから、続きはまた後でなー」 そういって、ドアノブへと手をかけた。 「あ!」 そしてまたこっちを向いて 「何言われたんか分からんけど・・俺はyasu君の気持ち嬉しいで?」 そんなふうに告げてから、にっこり笑って、 沢山の笑い声と話し声が交じり合う中へと入っていた。 「・・・ちゅーか、むちゃくちゃアルコールの香り漂わせながらそんなんされても・・・」 一人残された俺は、寒空の下で彼の去った先を呆然と見つめていた。 あの温もりを思い出しながら・・・ ** 「はーいど」 「んあ?がっちゃん」 hydeが振り返ったところを、後ろからハグハグ。 「ヤスに何言われた?」 「またがっちゃんが変な挑発かけたんやろー?」 少し膨れてみせるhydeだったが、纏う空気はまったく柔らかい。 「ふふ、別にー・・・で、何してきたの?」 「んー・・別にーv」 そう言って継ぎ足されたアルコール入りのコップを口に運ぶ。 「あんまり苛めたらだめだよ?」 そういう割には、Gacktの顔には笑みが浮かぶ。 一方hydeも、 「せやって、俺yasu君のこと”嫌い”やないもーん」 ふふっと笑いながら残りのアルコールを口の中に流し込んだ。 end.
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