oneday story 0129 (yasu×hyde)




「うーん、どれがええかなぁ〜・・・・・・」

hydeさんに誕生日を祝って貰った(なりゆきだったけれど)翌日、俺はアクセサリーの展示されるショーケースを眺めて唸っていた。
手元に当てた腕にはもちろん昨日hydeさんから貰ったブレスレット。
そのお礼も兼ねてhydeさんへのプレゼントに、とアクセサリーショップにて品定めをしている所だ。

色々と並ぶアクセサリーを見て歩く中、ふと目線を止めたショーケース。
デザインもhydeさんの好きそうなデザインで、自分も気に入ってしまった。

「でも、やっぱりこれはマズイやんなぁ〜・・・」

ショーケースの前で思わずちょっと苦笑い。
それというのも今目の前にしているアクセサリーは所謂リング。
流石に男から男に誕生日プレゼントに指輪っていうのは、退かれるかな・・・。

多分、きっと・・・いや、絶対hydeさんは俺の気持ちに気づいていない。
分かりやすいぐらい、hydeさんが大好きだと言葉にも行動にも示しているはずなのに。
hydeさんの中でこういうのはナシなんやろな・・・。
ショーケースの中のリングを見ながら少しだけ胸がチクリと痛んだ。
そんな事を思いながらも、やっぱりそのデザインはかなりのhydeさんが好みそうなデザイン。
昨日までhydeさんがつけていたブレスレット。
それをじっと眺めてから、そんな弱気な気持ちを振り切るようにふるふると頭を振った。
好きなものは仕方が無い、今更自分の気持ちになんて嘘つきたくない。

「すみません、コレいただけます?」

弱気な気持ちも浮かんだが、やっぱり諦め切れなくて結局それを購入した。
hydeさん受けとってくれるやろか・・・。

「すぐつけます?」  
「あ〜、ラッピングお願いします。」

プレゼントと知った店員は「お友達ですか?」なんてにっこり笑顔で言うてくれた。
俺は「あー、はい」なんて適当な返事を返して笑顔で濁した。
選んだリングは明らかに男物。
流石に好きな人へのプレゼントだなんて言われへんよな。
もしかしたら断られるかもしれないけれど、hydeさんの見えない気持ちを知るいい機会だ。
ラッピングして貰ったリングの入った箱を持つ手に少し力を込め意を決した。


*


そのまた翌日。
俺は約束していたとおりhydeさんからの仕事が終わった旨の連絡を受け、スタジオへと車を走らせた。
駐車場へと車を停めhydeさんの元へと向かう途中、足を止めポケットから小さな箱を取り出す。

「hydeさん受けとってくれるやろか」

未だに受け取ってくれるかとか、退かれるかなとか・・・不安はあった。
けれど、hydeさんの誕生日を一緒に祝えるということが、至上の幸せでもあった。
この間は俺の誕生日も祝ってもらったし。
着実に前へと進んでいっている。(と思う)

深呼吸してから小さく笑って、hydeさんの元へと歩みを進めた。
言われていたスタジオの部屋へと向かうと、どうやら先客らしく何やら話し声が聞こえていた。

「しつれいしまーす。」

コンコンとノックをしてドアを開ければ・・・

「・・・あ、Gacktさん」

振り返ったhydeさんの横にはGacktさんが居た。

「あ、yasuいらっしゃい!」
「yasu、久しぶり。」

そういって二人は笑った。
なんとなく、それまで浮かれていた気持ちがしぼんでいくのが分かった。
顔にまでは出さなかったけれど、思わず歩みが止まる。
よりによってこのツーショット・・・。
がっくりと肩を落としたくなる。
hydeさんは懐くと無防備に心を開くけれど、Gacktさんには特にそういう感じが強い。
多分、Gacktさんは俺と同じような気持ちでhydeさんの事を好きだし。
hydeさんはどういう気持ちなのかは分からないけれど、Gacktさんと居る時のhydeさんはとても楽しそうで柔らかい表情で・・・。
そしてなにより、この二人が一緒に居ると絵になる。
なんとなくGacktさんが相手じゃ勝ち目は無いと思ってしまう。

・・・悔しいけど。

そんな事を考えているうちに、Gacktさんはhydeさんの前へとプレゼントらしきものを取り出した。
それは小さめの箱で・・・ちょっと嫌な予感。

「何?」

受け取りながら聞き返すhydeさんに、Gacktさんはにっこりと答えていた。

「指輪v hydeに似合うと思って。」
「えー、指輪ってそんなん貰われへんやろ〜」

そう言って困ったように笑っているhydeさん。
嗚呼、予感的中。
Gacktさんに先を越されたんじゃもう話しにならない。

「あ、俺車で待ってますね。」

居た堪れなくなって思わずそう申し出た。

「え、yasuも一緒に居ったらええやん」
「いや、あの車エンジンつけっぱなしで来てもうたんで」

一緒に留まれというhydeさんの言葉に、慌ててそれらしい理由をつけて交わした。
なんとなく、この二人は見て居たくない。

「そっか、じゃあすぐ行くから先に待っててくれる?」

そう言ってhydeさんは申し訳なさそうに笑って、またGacktさんをほうへと向き直った。
ああ、素敵な一日になるはずだったのに・・・これじゃあ失恋みたやないか。
そんな事を考えながらトボトボと車へと戻った。
きっとこのまま流れで、Gacktさんとhydeさんと三人になってまうんやろうな。
やっと今年こそ二人きりで誕生日を祝える思うたのに・・・。
車の外でぼおっと待っていると、しばらくしてhydeさんが小走りに向かってきた。

「ごめん、待たせてもうて」

心底申し訳なさそうに言うhydeさんに、笑顔で首を振った。
そう、今日は何がなんでも素敵な一日にするんや。
って、hydeさん一人?

「あれ?Gacktさんは?」
「へ?もともとyasuと約束してたし、がっちゃんは来ないよ??」
「え?」

何を当たり前なことを、とでも言いたげにきょとんとした表情で見上げてくるhydeさん。
う・・・可愛い・・・、じゃなくて。

「Gacktさん来ないんですか?」
「・・・・・・?がっちゃん居たほうが良かった??呼び出そうk」
「いいいいいいいいい、いいです!!」

携帯を取り出そうとするhydeさんの腕を掴んで必死に止める俺を見て、hydeさんは小さく笑った。

「やっぱり!yasuは俺と二人のほうがええんかなーって思ってたから」
「え?」

そんな意味深な事を言うhydeさんの腕を見ると、見たことがあるデザインのブレスレット。

「あれ?それ・・・」
「え?・・・・・・ああ!コレまた作ってもらったの。御揃いやねーv」
「・・・・・・・」

そんな可愛い事を満面の笑みで言うhydeさんに、思わず見惚れてしまった。
というか、御揃いって・・・ええの!??

「ご、ごめん・・・、そんなんやったらyasuの為に新しいの作ったれば良かったな」

突然黙ってしまった俺に何を勘違いしたのかhydeさんが申し訳無さそうに宥めるように言ってきた。
ち、ちゃうのに!!
俺はただ”御揃い”て言って笑ってくれたhydeさんが嬉しかっただけ。

「そ、そんなことないっすよ!御揃いとか俺、めっちゃ嬉しいっすよ!!」

そう言ってhydeさんと”御揃い”のブレスレットを翳してみせる。
そうするとhydeさんは満足そうに笑った。
あかん、今しかない。

「俺ほんまにめっちゃ嬉しかったです。で、あ、あの、それでお礼に・・・」
「え?」

見上げてくるhydeさんの前に、例のラッピングされた箱を差し出した。
さっきから心臓がドキドキと音をたてて煩い。
hydeさんはそれを見てびっくりしたような表情をした後「ありがとう」と笑った。
自分だけに向けられたその笑顔に思わず赤面してしまう。
「あけていい?」と聞くhydeさんに「どうぞ」と促した。

「あ・・・」

包みをあけたhydeさんの手元に現れたのは、先日購入したあの指輪。
それをじっと見つめているhydeさん。
ああ、やっぱりきもいとか思ってるかなぁ・・・やっぱり退くかなぁ・・・。
平常を保つ裏で心臓はバクバクと音を立てていた。

そんな俺の心配など知る由もなく、hydeさんはゆっくりと顔を上げて笑った。

「ありがとう」
「え?」
「??」

意外にもすんなりと受け取ってくれたhydeさんに思わず拍子抜けしてしまう。
やっぱり・・・俺のことは意識するまでもないって事なんかな・・・。
嬉しいのか悲しいのか、どうにも腑に落ちない気持ちの狭間で思わず苦笑い。

そんな俺に気づくことなくhydeさんは「つけていい?」と指輪を取り出した。
俺はというと、やっぱりちょっと恥ずかしいわけで、赤面しながら「どうぞ」と頷いた。
流石に”俺がつけましょうか”とは言えないチキンな俺。
あれ?そういえば・・・。
hydeさんが指輪を着けるのを眺めながらふと思った。

「Gacktくんから貰ったのは、つけないんですか?」

確かにGacktくんからのプレゼントも指輪だったはず。

「え?貰ってないよ?」
「へ?」

帰ってきたhydeさんの答えに、そんな締りの無い声が出た。
そんな俺にhydeさんも疑問そうに聞き返す。

「え?なんで?」
「いや、せやって、あの・・・・」

言いよどんでいる俺の聞きたい主旨が見えたのか、hydeさんは「ああ」と言って続けた。

「流石に指輪はその気が無いのに受け取れへんわ〜」
「え・・・?せやけどあの・・・」

俺のはなんで?
聞き捨てならないhydeさんの言葉に、明らかに混乱している俺にニッと笑ったhydeさんは

「気になる奴からなら受け取ってもかまわへんって思わへん??」
「はぁ・・・・って、えっ!!?」

頷いた直後に、思わず食いつくように大声をあげてしまった俺にhydeさんはまた噴出しながら笑った。

「ははっ、おまえやっぱりおもろいなぁ〜」

いや、面白いとかやなくて、あの・・・!
この事態を飲み込めずに口をぽかんと開けている俺にhydeさんは、はよ帰ろう〜と俺の車の助手席へと乗り込んだ。

「yasu!はやく帰ろうや〜」

そう言って車の脇に立ったままの俺をコイコイと手招きをする。
一方俺はちょっと前の沈んだ気持ちなど忘れ浮き足立っている気持ちを抑えきれず、半ばにやけた顔で運転席へと乗りこんだ。

「hydeさん、おめでとうございます!今日は最高の夜にしましょうねv」

少しずつ少しずつ・・・本当に少しずつだけれど、確かに動き出した関係。
なかなか脈有りな展開に、少しだけ神様に感謝をして。

最高に愛おしい気持ちをこれからも注ごうと、そう決心した愛おしい人の誕生日。

来年はきっともっと近づいてみせるから。
だから、来年もまた祝わせてください。

来年もまた、隣で笑っていてください。





end...


・・・・・・・・・・・・・・・・◆COMMENT◆・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ハイバ小説です。
すすすすすすすみません、更新がえらい遅れて゚∀゚)・∵. ガハッ!!
今、何月だ・・・orz
yausバ小説「oneday story 0127」の続きになってます。
駄文ですが、感想なんぞ頂けましたら幸いです。


2007.02.18
Heavenly Feathers 管理人


◆簡易メールフォーム◆
ご意見、ご要望・ご感想等ありましたらどうぞ(^^




不都合が御座いましたら、お手数ですが下記アドレスまで。(コピー&ペースト)
feel_heavenly_white_feathers@hotmail.com


<<戻る。