HAPPY My Birthday (yasu×hyde)

I'm so Happy...


そわそわ、そわそわ・・・。
いつになく落ち着き無く座ったり立ったりを繰り返すyasu。
時間を見つけては携帯を開き、またため息と共に携帯を閉じる。
余りにも露骨なyasuの態度に、レコーディング中のメンバーも苦笑いを浮かべるしかない。

「忙しいんやって。ええやん、俺達みんなで祝ったったやん?」

帰り際に気を遣ってか声をかけたkiyoの言葉に、恨めしそうな瞳を向けたyasu。

「kiyoはケーキ喰えればどうでもええんやろ。」
「おまっ、人が気ぃつかってフォローしたったっちゅーに・・・!」
「フォローなんていらん、俺はhyde君に祝って欲しいねーん!!」

大げさにテーブルに突っ伏して駄々をこねるyasuにまたしても苦笑いをうかべるしかない。
散々ぐちぐちと駄々をこねた後、諦めたようにyasuは立ち上がった。

「・・・まあ、無理や分かってたけどなー」

そしてまた盛大にため息。

「まあ、ええわ、hyde君の誕生日には俺は盛大に祝ったるねん!!」

勝手に落ち込み、勝手に立ち直り。
呆気にとられるkiyoに”じゃっ”と小さく手をあげて家路につく。
もちろん、”ありがとう”の言葉も返して。


今年もやってきたバースディ。
レコーディング中だったこともあり、スタッフやメンバーがそれなりにお祝いをしてくれた。
寧ろかなりの好待遇。
そしてもちろんファンの子達からも沢山のお祝いのメッセージやらプレゼントが届いた。
スタッフやメンバー、そしてファンも大事な人に違いは無いから、勿論とても嬉しいし感謝していた。
けれどやっぱりずっと思い続けてきたhydeとお近づきになった今。
彼からのメッセージを少なからず期待をしてしまう自分もいた。
けれど、相手が自分の誕生日を知っているか、もしくは覚えているかも定かではないし。
明らかに一方的に、ファンです好きです。と告げているようなものだから、向こうからしたら覚えている義理も何もない、というのが正論であったりもする。

やっぱり、夢みすぎやろか・・・

我ながら余りにも虫のいい自分の空想に、yasuは軽く苦笑いを浮かべる。
はぁ、と小さく溜息をついてキーを空けようとした時、紅いものが瞳の端に映った。
ドアに立て掛けるように置かれた真っ赤な薔薇の花束。
ファンの子かな・・・。
添えられたメッセージカード。
何気なく開いたそれに思わず固まってしまった。
ただ心臓だけが慌ただしく音をたてる。
「・・・hydeくん・・・」
簡易的なメッセージだけだったけれど、yasuにはhydeからだと理解するには充分だった。
嬉しくて、嬉しくて、情けなくも目頭が熱くなってくるのがわかった。
ずっと憧れて、大好きでやまなかった人から祝ってもらえるなんて・・・こんな幸せ、他にあるだろうか!

yasuは高鳴る鼓動もそのままに、慌てて携帯を取り出しhydeのもとへと電話をかけた。
数コールの呼び出し音がした後、もしもし、と声が響いてきた。

「もしもし、hydeさん?」
「おー、yasuか。帰ったんか?」

携帯の向こうから聞こえてくるいつものように穏やかな声。
その声を聞いてさらに幸せが込み上げて、yasuは感極まったようにお礼を言った。

「はい!あの、ありがとうございます!まさか覚えててもらえてるなんて思わなくて・・・俺・・・!」

確かにメールや電話を待ったりしてみたけど、それはこっちが勝手に望んでいただけであって。
まさかこうして自分の誕生日を覚えていてくれて、こんな風に花まで贈ってくれるなんて・・・!
改めて感激の思いを述べるyasuに、hydeはいつもの調子で悪戯に笑って返事を返す。

「ま、yasuに薔薇はちょっと重かったかなー?」

そんなhydeの言葉さえも今のyasuにとっては至福以外の何でもなくて。
無性にhydeに逢いたくて仕方がなくなる。

「今、何処ですか?」
「んー・・・歩いてるー。」
「は!?」

歩いてるって、ちょっと・・・どないなんそれ。

もう家路についたのかと思っていたyasuは慌てて聞き返す。

「家帰ったんちゃうんですか!?」
「いや、yasuん家でお祝いでもしたろかなー思って。でもおまえまだ帰ってなかったからさ、ケーキでも買うたったるかなーと思って。でもタクシーで来てもうたから、歩いて帰って来てん。」

何の問題が?とでも言いたげにさらりと言ってくれるhydeに、当のyasuは慌てて続けた。

「ちょっ、まっ、何やってんすか!今すぐ迎えに行きますよ!」
「いや、でももうちょいやし。てゆか何慌てとんねん。」
「hydeさんこそなんでそんな冷静なんすか!?危ないんで迎えに行きます。あの通りですか??」

hydeの答えを聞いて携帯を切ったyasuは慌てて元来た道を駆け戻った。

可愛い姿晒して誰かに襲われたらどないするんですか〜!(←腐ってる)
そんな自分の嘆きとは逆にのほほんとしているhydeを思い浮かべると、何故か泣きそうになりながらyasuはhydeの元へと急いだ。

言われた通りを駆けていくと、hydeと思しき人の影を見つける。

「hydeさん!!」

慌てた口調で呼びかけると、hydeは顔を上げて「おー」と小さく手を振った。
ああもうやっぱり天然だ、この人。

「夜道一人で歩くとか、危ないことしないで下さいよ〜」

相変わらずほえほえした雰囲気のhydeにやっぱり泣きそうになりながら懇願する。
そんなyasuの対応にちょっとムッとしたようにhydeは頬を膨らませて、

「ちょっと女扱いせんでくれる?生意気やで、yasuのくせに〜!」

そして荷物を持っている手とは反対の腕でむに〜っと頬をつねった。

「痛っ、ご、ごめんなさい〜」

とりあえず謝るけれど、ちょっと剥れるhydeもyasuにとっては可愛くて仕方が無いわけで。
こんなにも可愛い姿を晒してて自覚が無い。
だから心配なのに・・・と内心でぼやきながら、つねられた頬をさする。

「荷物持ちますか?」

手を差し出すと、hydeは思い出したように手に持った袋を差し出した。

「はい、これケーキな。おめでとー」

にっこりと極上の笑みを一緒に祝いの言葉をくれた。
相変わらず殺傷能力抜群な微笑みを目の当たりにして、胸が高鳴る。

「あ、ありがとうございます。」

やっぱり嬉しくて、嬉しくて。
真っ赤になる顔を隠すように小さくうつむいた。
そんなyasuにhydeも満足したように、ぽんぽんとyasuの頭を軽く叩いた。

「やっぱり、おまえ可愛いなぁー」

なんとも聞き捨てなら無い台詞を吐いて、あははと笑う。
可愛いのはhydeさんやっちゅーねん・・・。
内心ぼやくyasuの心中など察する様子も無く、hydeは会話を続ける。

「てゆか、おまえなんで車で来んかったん?」
「あ・・・・」

言われて気づく。

「ほんまやー!俺何しとんねんー!!ぅあ゛ーーー〜・・・」

気づきもしなかったと頭をかかえるyasuに、hydeはまた声を立てて笑った。

「ま、たまにはこういうんも良いんちゃう?」

そう言って空を仰ぐhydeの目線を追えば、夜道を照らす月。
それを見上げて笑うように目を細めたhydeの横顔は、月明かりに照らされて幻想的に映る。
そんなhydeの姿にyasuは返事も忘れて見とれた。

綺麗や・・・

「さ、行くで」

hydeの声にはっと我に戻り、先を歩く背を追いかける。
隣に並んで、わずかに触れた手。

頬を抓られた時、hydeの手が酷く冷たかったのを思い出す。
寒い夜道を歩く上で冷え切ってしまったであろう優しい手。

できるだけ、さりげなく、さりげなく・・・手を握った。
それに気づきyasuを見上げるhyde。
じっと見上げてくる瞳に、yasuはまたしてもさりげなく、笑った。
心臓は今にも張り裂けそうなぐらい鼓動を刻んでいるのに。

そんなyasuに意味深な笑みだけ残して、hydeは前へと視線を戻す。
握り返された手から拒絶の意は無いことを読み取って、小さく・・・本当に小さくほっと息を吐いた。

「・・・ぶはっ!」

咄嗟に零れたhydeの笑い。

「えっ、なっ・・・っ!?///」
「はははっ!なんでもな〜い!」


顔を真っ赤に慌てるyasuに繋いでいるのとは違う手をひらひらと振る。
けれど肩は未だに小刻みに震えていて、笑をこらえているのが一目瞭然。

なんとなく読めたhydeの思惑に、yasuはまたしても赤面しながら俯いた。
そんなyasuの態度に相変わらずhydeは笑ったままで。
けれど、一向に離れない繋いだ手。

素直にそれが嬉しい。




大好きで、大好きで、仕方が無い。
相変わらずうまい具合に交わす相手に、自分の気持ちが届いているのかどうかは分からないけれど。
こうして一緒に居られることが極上の幸せだと、自分でも気づいたから。

またこれからも、ずっと隣で微笑んでいてほしいと、そのためなら自分はこの人をどこまでも追いかける、と。
長年の想いを再確認した誕生日だった。




 end.


・・・・・・・・・・・・・・・・◆COMMENT◆・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

yasuさん誕生日おめでとう。
仮タイトルはI'm so Happyです。(笑)

・・・・・し、しってますしってます今2月です。『振り向けば...』発売日です。
もうほんま・・・ごめん・・・(凹)

でもどうしてもハピバ小説書きたかったので。
書いてあげたかったので(笑)

相変わらずya→h、一方通行具合が漂ってますが。
でも少なからず救いがある感じが・・・ちょっとヤスハイぽくない(爆)
甘いのも書きたくなるんですよー!仕方がないじゃない!!

yasuさんの”さりげなく・・・”部分はあまりさりげなくしきれてない感じで(笑)
yasuさんの思考はhydeさんにはお見通しですよ。
どれだけさりげなくを装うとも、内心ドキドキなのバレバレですよ。
hydeさんでも噴出し笑いすることもありますよね。(笑)

せめてヤスハイらしく可愛くかけてたらいーなーと思います。



2006.02.08
Heavenly Feathers 管理人


◆簡易メールフォーム◆
ご意見、ご要望・ご感想等ありましたらどうぞ(^^




不都合が御座いましたら、お手数ですが下記アドレスまで。(コピー&ペースト)
feel_heavenly_white_feathers@hotmail.com


<<戻る。