REVENGE






そろそろケンとユキヒロはリミットゲージが溜まりそうだった。

某音楽雑誌の撮影&インタビューのため4人は控え室で出番を待っていた。
いつもの事だろ、落ち着けよ。大人気ない。…と思える事はもはや不可能なくらい酷かった。
何が酷いかというと…それはもちろん、例の2人が関係している…。
それはもう蝉のうるさい泣き声などもうとっくに聞こえないくらいの…イチャつきようだった。
 
「なあぁー、てっちゃぁーん。暑いわぁー。」
「(暑いんだったらテツから離れたらどないやねん。)」
心の中でしかツッコめない最近トラウマなケン…哀れ。
 
「俺もハイドが近くにおるけん暑いわぁー。」
「(…!テツ!よく言った!お前の事ちょっと見直したわ!)」
「ハートがなvvv」
「(・・・・・・・・・・。)」
「もう!てっちゃん俺恥ずかしいわぁー!」
「お前らぁぁー!!俺もユッキーとイチャつきたいの我慢しとんのに
 自分らだけむっちゃオープンに満面の笑みで果てしなくイチャつくなぁぁあああ!!」

勇気を出して声に出したぞ!頑張れケン!

「何?ケンちゃん。悔しかったら自分もユッキーとイチャついたらええやん。」
「そうやぁー!俺らの邪魔せんとってやぁー。」
「(・・・・・・・・・・・・。)」
トラウマ、再び・・・(笑)
 
「ケ、ケンちゃん・・・?」
「ユッキィー!!俺もうダメや!耐えれん!腹立つ!マジむかつくぅー!!」
「落ち着いて!落ち着いてよケンちゃん!」
「ゲヘヘハハハ…マホメット様ーーー!!あぁ、馬場さんとアンディが呼んでるよ?!」
「落ち着けぇぇぇえええーーーー!!!」

スパーン!!

「ハッ!あ、危ねぇ…。」
「いい?ケンちゃんよく聞いて。僕もあの2人にはいい加減、こう、わきまえてほしいんだよね。
 でもさ、あの2人がそんな大人しくなるわけないじゃない?」
「うーん、確実にならんわなぁ…。」
「そこでさ!奴らに復讐しようよ!」
「復讐・・・?!ど、どうやってやるんやぁー?」
「あの調子だと、きっとあの2人喧嘩なんてしたことないでしょ?」
「確かに…見たことないなあ。」
「だからぁー!喧嘩させるんだよ!2人に!」
「えぇーーー?!そんなことどうやってするんやぁー?」
「フフフ…ケンちゃん、今日の撮影は運良く僕とテツ君・ケンちゃんとハイド君に分かれているよね?」
「そ、そうやけど…。何でそれが運ええんやぁ?
 俺はあんなクソチビフェロモン(暴言)よりプリティーなユッキーと一緒が良かったわー。」
「そりゃ僕だってあんなヘタレバッファロー(暴言)より渋くてかっこいいケンちゃんの方が良かったよ!」
 
自分たちも充分バカップルだという事に気がついていない2人・・・・。
 
「でね、何で運が良いかっていうとね。2人に浮気現場をそれぞれ目撃させるために好都合だからなんだ。」
「う、浮気ぃーーー?!絶対そんなんせえへんでぇー?あの2人は!バカップルやのに。」
「うん。全くその通りだね。」
「ほな、どないすんねん。」
「だーかーらー!浮気してるように見せかけるんだよ!撮影から控え室に帰ってきて扉を開けた瞬間に…目撃!
 僕らはその瞬間を逃しちゃいけない。」
「その帰ってきた瞬間はどうやって見つけるんや?」
「フフフ…!よくぞ聞いてくれますぃた!じゃじゃーーん!これ見て!」
「こ、これはーーー!!」
「そう!超小型無線機!これでお互いの現場の状況を報告し合えるよ!」
「うおおう!流石ユッキーや!愛してるでぇー!」
「もう!ケンちゃん恥ずかしいじゃない!」
 
何故ユキヒロがそんなものを持っていたかはツッコまないケンだった。
バカップルだからできる神業である。
 
「ちょっと、ケンちゃん何ユッキーとラブラブしよんの?このバカップル。
 次俺らの撮影やで。早よしてやぁー。」
「ぬ…!ハイド…!…フッ、まあいいさ。じゃあ行こうか?ハイド君。」
「は?何が『ハイド君』やねん。キショイわぁー!てっちゃん助けてぇー!」
「ハイド!ケンちゃんに何されたんや?!」
「あぁぁああー!もう!何もしてへんわ!行くで!!」
 
部屋から出る寸前にユキヒロと目が合ったケンは軽くウインクをして出ていった。
この作戦は必ず成功すると思っていた2人だったが、それは甘かった。
2人はテツとハイド、この究極のバカップルの事をまだ少しなめていたようだった…。

 

ケンとハイドが撮影に行ってから1時間が経とうとしていたその時…!
ケンからユキヒロの無線に連絡が入った。
 
「(ユッキー!今撮影終わったで!今からそっち帰るからならべくテツに接近しといてや!)」
「(了解!)」
「ね、ねえテツ君!」
「んー?何やぁ、ユッキー。」
「最近テツ君厚底履かないよね。厚底履いてなかったら僕の方が身長デカイんじゃないの?」
「何をーーう!そんな事ないでぇー?!俺の方が高いって!」
「じゃあ、比べてみる?」
「望むところや!」
「(クククク・・・・うまくいったよー?)」
 
テツに接近することに成功したユキヒロはとりあえず背中を合わせて身長を競っていた。
そこにまたケンから無線が!
 
「(ユッキー!もうそろそろやで!行くで!5秒前、4、3、…)」
「ほーらね!やっぱ俺の方が高いって!」
「(2、1・・・・)」

そう言ってテツがこっちに振り向いた瞬間・・・!!

「(…0!)」
「ユ、ユッキー?!」

ガチャッ

ユキヒロは思いっきりテツの首に腕を回し抱き着いていた。
当然、ハイドはその現場を直視してしまった。

「(フフフフ・・・・怒れ!怒れぇええ!ハイドくぅうーーん!!)」

ハイドは一瞬呆然としてとても驚いた顔でこっちを見ていたが、
すぐにもの凄い形相でこっちに向ってツカツカ歩いて来る。
それは、もうどれくらい恐い顔かというとゴキブリのいる部屋で一晩過ごしたくらい恐い顔だった。

「(うわぁああ!超こえぇーよ!)」

まだ密着している2人の前でハイドは静かに止まった。そしてギロッと睨んだ先は・・・・

「(えぇ?!ぼ、僕なの・・・?!)」
「ユッキー…」
「は、はいっ!」
「いくら俺のてっちゃんが超・男前やからってしてええ事と悪いここがあるん分からんのかぁあ?!
 てっちゃんは俺という可愛い恋人がおるしユッキーにはあの髭オヤジがおるやろ!!
 そりゃ、てっちゃん見てて抱き締められたくなるんはよーーく分かるけどなあ・・・!!っていうか離れろや!!」
「はい!すみませんでした!!」

ハイドはユキヒロが離れた瞬間にもの凄い速さでテツの胸に飛び込んだ。

「てっちゃぁああーーん!もう!ここは俺の特等席なんやから油断して他の奴に貸したらあかんやんかぁー!」
「ごめんなぁーハイド!俺も突然のことでかなりビックリしたんやぁー。」
「え?イキナリやったんー?ユッキー、どないしたん?!まさかてっちゃんに惚れたとかないよなあ?」
「えぇー?ユッキー、それはあかんでぇー!俺にはハイちゃんがおるもーん!」
「俺もぉー!てっちゃんがおるもーん!」

きゃっきゃっきゃっきゃっ★☆

「いい歳こいてきゃっきゃっ言ってはしゃぐなぁああああああぁぁああ!!!!」

ついにキレたユキヒロ…!!

「何ぃー?ユッキーカルシウム足りへんの?それとも欲求不満?」
「あぁー!ケンちゃん最近忙しそうやったもんなぁー。」
「・・・・・・・・・・・。」

ユキヒロは3人のやりとりを入り口付近で見ていたケンの方に歩いていった。

「ユ、ユッキー…ゴメンな…?最近忙しくて…そんな、欲求不満だなんて…俺気づかんかったわ…。」

バゴォオッ!!

「ヒ・・・ヒイ!!」
「ちげえよ・・・。」

怒りのあまり部屋の壁に穴をあけてしまったユキヒロ。恐るべし・・・!!

「おい、ケン…次は必ず成功させろよ…必ずだ!!!」
「は、はぃいい!!」
「クソッ…!!あのバカップルが!!俺を怒らせたらどうなるか分からせてやる…!!」
「(ユッキー恐すぎやぁーー!)」

 

そしてテツとユキヒロの撮影の順番が来た。

「よっしゃ!行くかぁー。じゃあハイド行ってくるなー。」
「えぇー!俺むっちゃ寂しいぃー!それにケンちゃんと2人きりなんて嫌やぁー!」
「(ぐ…!このクソガキャ…!俺やて嫌じゃ!)」
「まあまあ、すぐに帰ってくるから。な?」
「んー。早よ帰ってきてなvv」
「おう!まかしとけや!」

そして2人は部屋を出て行った。スタジオに行く途中…

「ユッキー、さっきの事気にせんでええで!まあ、そういう気持ちわからんでもないから!
 俺はハイちゃん一筋やけどなぁー!って何言っとんねん!恥ずぅー!アッハッハッハ!!」
「・・・・・・・・この外ハネが・・・!笑ってられんのも今のうちだけじゃ!」
「んー?何か言ったぁー?」
「別に?撮影頑張ろうねーって。」
「おう!ハイちゃんのために頑張るぞー!えいえいオー!」

 

そして1時間後、控え室。ユキヒロからの無線がケンに入った!

「(もしもし?ケンちゃん?今撮影終わったよ。そっち向ってるから。…って、あ!走りだした!)」
「(え?え?マジで?!)」
「(やばいよ!30秒以内になんとかして!)」
「(さ、30秒?!)」
「(早く!!)」
「ハ、ハイド!ハイド!ちょお、こっち来てみぃー!」
「あぁー?何やぁー?」
「窓!窓!窓の外!猫が交尾しよるで!!(爆)」
「え?!マジで?!どこどこ?」
「(さすがエロいハイドさんやな・・・)」
 
まんまと騙されたハイドはケンの思惑通り窓の方に、つまりケンの方に近づいて来た。
が、交尾している猫などいるはずもなく…

「何やぁー!ケンちゃん!交尾しとる猫なんておらへんでぇー?!」

とケンの方を振り向いた時、ハイドは驚いた。ケンに壁に追い込まれているような状態だったからだ。
ケンの両手は壁につけられていて、後ろから見たらまるで…

「ハイドォオオオオオオvvvv帰ってきたでぇぇぇええvvvvええ・・・え?」

そう、まるでキスしてるように見えるのだ。

「おう、テツ。おかえりぃ。」
「てっちゃん…!」

テツは呆然とそこに突っ立っている。ケンは心の内でガッツポーズをした。

「(よっしゃ!こりゃ相当利いたみたいやな!)」

…が、その瞬間長年付き合ってきた幼馴染の聞いたこともないような声が聞こえてきた。
その声はゴス○ラーズの北山○一が歌う低音よりもさらに低い声だった…。

「オイ…コラ、ケンよぉ…。てめえ、何さらしとんじゃ…」

その声はやけに落ち着いていて逆にケンの恐怖心を煽った。

「(ちょ、ちょお…めっちゃ恐いんすけど…あぁー!ユッキー助けてぇ!)」
「俺のハイドに何やっとったんやって聞っきょんじゃぁあああ!!ええ?!コルァ!!(巻き舌)」
「べ…!別になにもしておりませぬ!!!」
「てっちゃぁあああん!!ケンちゃんが俺を騙して密着してきたぁあー!セクハラやー!」

そう言ってハイドはするりと抜けてテツの腕に飛び込んでいった。

「ハイド!大丈夫かぁー?!まだ何もされてないよな?!」
「うん。まだ大丈夫やぁー。てっちゃんが来てくれへんかったら俺やばかったかも…」
「ごめんなぁー!恐い思いさせて!もうこれからはずっと離れんとこうな?」
「そんな!謝らんといてや!悪いんはてっちゃんやない!ケンちゃんや!!」
「(えぇ…えぇえええーーー?!)」
「ちょお、ケンちゃん…ユッキーが相手してくれへんからって俺のハイちゃん襲わんとってくれる?」
「そうやぁー!そんなんやからユッキーがてっちゃんに抱き着いてまうんやでぇ?」
「何をー!俺とユッキーはラブラブや!ちゃんと愛し愛されとるわ!!」
「ほんまにぃー?超怪しいわ…」
「「ねーーー!」」

顔を見あわせて声をハモらせて言ってきた。もう腹立つことこの上ないくらいケンはムカついていた。

「クッソォーー!!お前らなんかより俺らの方がラブラブなんじゃぁぁああーー!!!」
「ラブラブなカップルが浮気しようとするかぁー?」
「浮気なんかしとらんわぁあー!!」
「えぇー?あれ立派な浮気やん。抱きついたりセクハラしたり…」
「あれはお前らを落とし入れるための作戦…しまった!!」
「俺らを落とし入れるための作戦…??」
「ケェェエエーーーンンーーーちゃぁああーん……?」
 
背後から身も凍るようなユキヒロの声が聞こえてきた。
ケンは恐る恐る降り返ってみると、そこには貞子もビックリ!な超恐ろしいユキヒロの顔があった。
 
「ごっ…ごごごごごごごごめんなさいぃぃいい!!」
「テメエは何敵に作戦バラしよんじゃあああああ!!!」
「あぁああああ!!お許しをーーー!!」
「もうお前は1ヶ月、いや!半年ヤらせん!!!」
「いやぁああぁあぁああぁあ!!!そんな!!ユキヒロ様!!やめて!!」
「うるせえ!!どっか行け!!」
 
「てっちゃぁーん…。何かあの2人喧嘩しだしたでぇー?」
「うぅーん…。まあ、ただの痴話喧嘩やろ?それより早よ帰ろぉーやvv」
「そうやなぁー。じゃあ、帰ろっかぁー!」
 
そう言って2人は部屋をあとにし、帰って行った…が、ケンとユキヒロはまだ喧嘩をしていた・・・。
結局、2人の計画はテツとハイドには通用せず…。
世界一のバカップルは無敵であった。

 

終。





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COMMENT



ULTRA C で600HITを踏みまして、ジャッカーしゃんに書いて頂きましたぁv



嗚呼、、、もうなんちゅーか・・・。
ご愁傷様ッ!!(爆笑)
「クソチビフェロモン」と「へタレバッファロー」に爆笑しました。(笑)
まだ、腹痛いです。(爆)

やっぱり、テツハイはバカップルなんでしょうか???
てっちゃんベタボレって感じっすかぁッ!?(笑)
もう、世界が終っても(?)ずっと、イチャイチャ、イチャイチャしてて欲しいッすね☆(爆)

そして、ゆっきー強ぇ。(爆)
本当この人最強かもしれん。
そして・・・kenちゃん。
頑張れッ!!(←この一言に尽きます。:笑)(爆笑)


ジャッカーしゃんの書く、とってもシュールな(笑)テンションが好きですv
(↑オマエの言ってることの意味が分からねぇよ。。。)(死)


本当有り難う御座いましたぁvvv
また遊びに行きましゅvそして、またキリGETいたしまふ(^ー^)♪(楽)



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