「眠れへんの?」
窓際に立つ背に声を掛けた。
ゆっくりと振り向くその横顔。
それは月の明かりに照らされて、一層青白く虚ろに見えた。
でも、この表情も好き。
静寂を連れてくる夜はふわふわと浮遊する、現実とは異なる空間。
そこに住まうのは自分たちだけだから。
「何、考えてたん?」
大抵予想がつく。
だけど敢えて聞いてみる。
案の定、返事は帰って来ないから、予想通りのこと。
「・・・夢、見んねん。」
少し遅れて、口がゆっくりと紡いだ言葉。
「暗い闇の中ずーっと堕ちていく。いっつも同じ夢」
「怖いの?」
「どうやろ・・・」
そしてまた視線は月へと戻された。
「間違ってたかな、俺」
その主旨は酷く曖昧でいて、それでも確実なもの。
「どう否定すればいいのかも、わからん」
「俺もさっぱり」
冷めた言葉。
いつもと同じ。
「それでええやん」
間違ってたってかまわない。
傷ついたってかまわない。
何も見えなくたってかまわない。
足掻いて、足掻いて、
それでも、
しんどくて、しんどくて、息もできなくなったら。
そうしたら・・・・
「そうしたら、一緒に――」
” 死 ん で あ げ る ”
耳元で甘く囁いた。
何処までだって、ずっと一緒に堕ちてあげる。
ねえ、
だから、
おねがい、
独りにしないで。
end.
◆COMMENT◆
・・・・・・暗っ
久々の更新がこんな話で良いのか。
こんな話、自分病んでるのか?(笑
深い愛というか、依存というか。
ちょっと重たすぎるジャンキーな話が書きたくて書いた話です。
個人的にはhyさんからテツさんに問いかける形で書きましたが、
まあ、反対に解釈してもらっても強ち嫌でもございませんのでその辺はお好みで。
すみません、こんな暗い話で。(--;
次こそは、きっと、ちゃんと甘甘を。
2005.08.23
Heavenly Feathers 管理人
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