「hyde、誕生日には何が欲しい?」
誕生日の数日前、突然にそんなことを聞かれて。
別に欲しいものなんて何も無かったし、この歳になって誕生日なんて何も期待していなかった。
だから自然と、こう答えていた。
「一緒に居て欲しい」
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「いらっしゃい」
時は、1月29日。
俺はガっちゃんの家へと招かれていた。
笑顔で出迎えてくれて、顔を合わせるなりハグ。
ガっちゃんと出逢ったばかりの頃はぎこちなかったけれど、最近ではもう習慣のようなもの。
軽いハグから始まって、力を込めて抱きしめられて。
それに答えるように、俺もがっちゃんの背中に腕を回した。
軽くキスをして、体を離す。
通されたリビングは、もうすでにセッティングをされていて・・・
まぁ、普段の装丁から雰囲気的には充分ばっちりなんだけど。
今日はテーブルの上には沢山の料理とワイン。
そして自分では食べられないくせに、かなり手の込んだ豪華なケーキ。
”こんなに食べられひんやろ”と内心想いながらも、
セッティングをしている時のがっちゃんの楽しそうな様子を思い浮かべると微笑ましくて小さく笑った。
「hyde座って」
豪華な料理を前に圧巻されている俺を、ソファーへと促し。
がっちゃんは一つ咳払いをした。
「hyde誕生日おめでとう」
改まったように、それでいて優しい笑顔で言われて。
なんだか恥ずかしくなって、照れ笑いをしながらお礼を言った。
そしてがっちゃんは小さくキスをして、また優しく抱きしめてくれた。
暖かい胸からがっちゃんの香と鼓動が伝わってきて、凄く幸せな気分になる。
今日は自分の誕生日だけれど、逆に"この人が生まれてきてくれて良かった"と心の中で実感した。
そんな風に幸せに浸っている俺に、がっちゃんが綺麗にラッピングされた箱を差し出した。
「これ、僕からのプレゼント」
「え?あ、ありがと・・・///」
差し出された箱を受け取って、お礼を言った。
渡されたそれは何故かある程度の重みがあって、俺は少しの疑問を抱きながら箱を眺めた。
「ね、開けて?」
貰った俺よりも、遥かにそわそわしながらがっちゃんが促した。
俺が開けるのが待ち遠しくて仕方ないらしい。
そんながっちゃんを可愛いなぁと思いながら、綺麗にラッピングされた装丁を解いていく。
そして現れた箱の蓋を開けると・・・
「・・・・えっ・・・何やねんこれ!?」
俺は突拍子も無い声を上げてしまった。
だって綺麗に装飾された箱から出てきたものは・・・
手錠。
未だ理解しきれない表情で鈍く光るソレを見ている俺に、がっちゃんは笑顔で説明を始めた。
「手錠だよ」
「いやいや、それは分かるけど・・・」
「何が欲しいか聞いたら、”一緒に居たい”って言ったのはhydeじゃない?」
確かに言ったけれど・・・
「hydeの願いなら叶えてあげないとね」
笑顔で話すがっちゃんはいつの間にかその手錠で自分の左手と俺の右手を繋いでいた。
そして繋がれたままの左腕を上げて、手錠をかざしてまたにっこり。
「これならずーっと一緒でしょ?」
好意なのかわざとなのか、突拍子も無いプレゼントに呆気にとられたまま。
お互いの手を繋ぐ手錠と、がっちゃんの顔とを交互に見た。
そんな俺にがっちゃんは、
「気に入ってくれた?」
「気に入るもなにも・・・」
こんなの貰ってどないすんねん!
抵抗しようとしたものの、がっちゃんがあまりにも期待に満ちた目で見てくるから・・・。
言うに言えず笑顔を作ってお礼を言った。
「う、うん。ありがと、がっちゃん」
"大事にするね"なんて、我ながら良く訳の分からないお礼をお返して。
でも、そんな俺のお礼にがっちゃんがまた笑ってくれたから。
まぁ、いいかな・・・なんて思ってみたり。
こんなプレゼントもがっちゃんらしいや、なんて納得して。
繋がれたお互いの腕を見ていたら何故か凄く笑えてきて、小さく笑った。
そのまま目線をあげたら、がっちゃんと目があって。
あんまり見つめてくるから恥ずかしくなって、思わずまた顔を伏せた。
そんな俺に、またがっちゃんは笑って、繋がれた右手を取り優しく口付けをした。
「HappyBirthday、hyde。今日は、ずっと傍に居てあげるからね」
end.
◆COMMENT◆
まあ、始めなので軽く・・・
って、え?これ何?ギャグ?(痛
あああ・・・久々のガクハイなのに、こんなに中途半端で納得行かないです。
もっと、あーんなこととか、こーんなこととか、色んなことさせたかったのに。(ぇ
なんだか出だしから企画に溺れ気味ですが。
ちょっと気合入れて頑張ります。今しばらくお付き合いしてやって下さい。
2005.01.27
Heavenly Feathers 管理人
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